石は無くなるのか?その5

北海道胆振東部地震から一年が経ちました。自然の力を否応なく思い知らされた出来事でした。各地の復旧も徐々に進んでいる様ですがもうしばらくかかりそうです。被害にあわれた方に心よりお見舞い申しあげます。また、業界的にもまだまだ影響が大きいという地区も多いようです。

そんな大変な中ですが ”石は無くなるのか?その5” はじめます。

前回ご案内した採石停止理由その2

○採石コストの増加

について

丁場は掘れば掘るほどコストが増加してしまいます。その4でも少しご紹介しましたが、採掘に伴い丁場は常に形が変わります。

採掘口を掘り下げながら採るか、水平に広げながら採るか、いずれにせよ(極端な例ですが)1ブロック目の原石を出したあとの2ブロック目の原石は最初の場所よりも必ず遠くなります。基本的には原石を運び出すコストは操業につれて増加します。

また採掘口の形状が変わることによって出荷・検品場から採掘口までの道の造成や、電気設備の延伸、落下防止の安全対策、周囲の地盤への対策なども施す必要が有ります。

原石の販売価格は需要と供給の関係で決まるところが大きく、需要の多い原石については適宜値上げが行われますが、需要の多くない石についてはコストを金額に反映できず短命で終わるという事がままあります。

ある程度採掘してしまったら隣の区画(幸運にも隣で同じ石が採れれば)へ移り、同じ規模で再開すれば同じコストで採掘可能かもしれません。が、免許の関係上そうそう採掘許可が降りるものでもありません。よほど行政に優遇(≒行政へ貢献≒税金を沢山納めるなど)されていない限りは当初の区画のみで採掘するしかありません。

また短命で終わるという事に関しても日本墓石向けで使用しなくなっただけで建材向けでは使用している場合も有り、その状況が混ざると、その1で書いたように” 無かったと思ったら有ることも有る ”状況が発生します。

丁場停止の理由、採石コストの増加についてざっくり解説しました。次回は

○使用量の減少

について考えます。