”花こう岩”について考える

”花こう岩”はすこし扱いに気を付けなければいけない言葉でありまして、ある範囲の石材の総称として用いる場合と(≒我々の業界)、岩石の分類として用いられる場合があります。

皆様になじみのある言葉と思いますが、文字として”花こう岩”にはじめて接するのはいつだったでしょうか。小学校だったか中学校だったか、社会科の地理の授業で接する方が多いのではないでしょうか。授業で習うのは岩石の分類としての花こう岩ですね。岩石はまず、その成り立ちから火成岩・堆積岩・変成岩の三つに分けられ、花こう岩は火成岩の中の分類の一部です。

対して、石材としての花こう岩は、岩石分類よりも広い範囲を指し、慣例や文脈に応じてその範囲が変わってきます。が、石材業界内ではあまり耳にする印象が有りません(※個人の感想です)。一般的に耳にする機会が多いのは”御影石”ですね。 白御影、黒御影、赤御影などなど。

”御影”で呼称可能な状況において、”花こう岩”という言葉が出てきた場合は用法や、特にその示す範囲に注意しながら話を進める必要があります。

また”御影石”にも用いられる状況によって多少の理解の余地が有りまして、花こう岩について多少の整理をしたところで、次回は”御影石”について考えてみます。