オリンピックのマラソンが札幌に決まったそうですね。地元の盛り上がりに繋がれば良いなと思う反面、いろいろと大変そうです。
無駄に刻んでしまった感があるその9ですがご容赦ください。今回は、
〇 加工をしたくてもできない場合 →操業の停止 など
について考えます。
加工工場が止まるには様々な原因があります。行政の指導や停電、ストライキなど。ざっと状況を説明します。
まず行政の指導、これは操業の条件を守らない場合に適用されます。具体的には操業免許が有効かどうか、排水処理、粉塵や騒音を規制通りに処理しているか、などです。
工場は免許制でして、免許を適正に更新していない工場や、免許の範囲外の操業を行う工場、ごく小規模な加工場では全く免許を持たずに操業する工場などもあったりします。特に国外では、その工場が適切に免許を所持しているかどうかを調べるのはかなり難しく、訊ねたとしても先方からの返答を検証する術が無い事が多く、発注側も把握しきれない場合が有ります。
切削時に大量に使う水が適切に排水されているか、規制時間外に操業を行っていないか、廃材を適切に処理しているか、適正に処理していない工場に対しては個別に行政の指導が行われます。
この指導が地域に対して行われる事があります。すると一帯の工場が全て止まってしまいます。停止の範囲にもよりますが、規模が大きく・期間が長くなれば出荷への影響が大きく、製品(石)が出てこないことになります。長期に操業できない工場では従業員も稼げず、供給力を維持できません。
操業には周辺産業の集積も重要な要素でして(電気、重機、機械設備、鉄工など)、供給力が落ちると工場を支えている各業種も対応力が落ちてしまい悪循環です。
※我々も手配力維持のために代替方法・地域を模索しなければなりません
停電に関しては供給停止の致命的な原因にはなりませんが、頻発する場合があり、これもストレスの一因かなと思います。日本ではあまり意識することは有りませんが国外の電力インフラが貧弱な場所でよく発生します。
計画停電であれば事前に案内があるので工場側も逆算しながら対応します。しかしインフラが貧弱な地域は突然停電してしまいます。 インフラが貧弱な地域と言うのは一般的には田舎でして、石材加工工場の立地(丁場の近くに工場を建てるのが効率が良く、丁場は山の中が多い)とも相性が良く、この辺りもなかなか改善が難しいところです。
中国の話ですが、朝一番に工場に入ったところ、通常は沢山の工員と大鋸の音で話し声も聞こえないほどの状態ですが、その時は工場内が閑散としており僅かな工員も手持無沙汰の様子。理由を訊ねると、停電が発生しており生産が行えないとの事。停電ではどうすることも出来ず、先ずは事務所でお茶を飲んで待ちましょうということになりました。その時は1時間ほどで復旧しましたが、繁忙期は出荷に間に合わせるために食事の間も惜しんで制作する工員もいるなかで、停電もスムーズな出荷を阻害する要因かなと思います。
今回はここまで。次回はストライキの状況から始めたいと思います。