石が無くなる(≒使えなくなる)主な理由
〇質の低下(変化)
ですが、質が良くなる変化であれば供給に特に問題はありません。変化のうち、低下に絞って考えます。
石が無くなるのかどうかに関わる石の質とは何か?それは採掘した原石でどれぐらいの製品を作ることが出来るのか、つまり”原石の歩留まり”という認識になるかと思います。
一般的には”石の質”だけでは様々な尺度があり、様々な解釈が成立します。というのは、原石の採掘から製品として納めるまでには 丁場、卸業者(←弊社はここ、石材商社です)、加工業者、小売業者を経るため、それぞれの立場によっての”良い”が違う場合があります。
例えば丁場では均質で(安全に)沢山採れることが”良質”と考えるかもしれませんし、小売りでは硬い石を”良質”と考えるかもしれません。
また流通過程の各業者も、必ずしも一つの業種でなく、メインは山石屋だけれども小売まで行う、卸業者だけれど加工まで行うなど、それぞれにラップしており、業界の人間はお互いの”良い”をその都度一致させながら話す必要があります。石の業界で、こちらの”良い”と、あちらの”良い”が違う事がままあるのはこのためです。
あの時は良かったけれど今はちょっと難しい。クセのある石だけど石の目が好き。今までの実績があるから安心できる。この3つが同時に全て成立することも多々あります。
本題に戻りまして歩留まりの変化について、
なぜ石の歩留まりが低下するのか?についてですが、そのほとんどが採掘している岩盤の状態に連れて変化することが原因です。採掘時の発破の技術などでも変わりますが、 免許の関係上、良い場所だけを選んで採掘できる訳ではなく、掘っているあいだに質が良くなる事もあれば悪くなる事もある、というのが通常の考えで、石材(特に丁場)は天然の資源であり、均質な材料がオーダー通りに出てくるものでは無いという事が基本の認識です。
それでは、歩留まりが低下した時に石の供給者はどうするか?
次回に続きます。