工場の加工停止理由、加工したくない場合について考えます。
石は採れているけれど、工場側で加工したくない石というのが有ります。個々の理由はいろいろありますが大雑把に説明すると歩留まりが悪い石がこれにあたります。切れども切れどもヒビやキズで製品材料が採れない、石目合わせが難しい、など。製品の発注側としては石目や硬さが好みなので頼みたい、工場としては歩留まりが悪い(仕上げるまで仕上がりの歩留まりが判らない)ので作りたくない。
採れる原石の質は常に変わります。先月まで問題が少なくても、掘り進める間に質が変わり、工場でも歩留まりや製造にかかるリスクが変わります。変化する原材料の質に対して加工側が製品の質を調整しきれない(検品を合格できない)場合は工場では加工を止めてしまいます。この間まで使っていたのに、現在は使えない(作らない)という事になります。 原石採掘と同じく加工側も材料の歩留まりが一定の値を下回れば加工を避けます。
原石の情報を掴めば、これは比較的説明が易しいかと思います。が、
”実はストックしていた原石が〇〇㎥ありまして、そちらはまだ大丈夫です…”
などと聞こえ始めるとややこしい話になってきます(笑)
駆け足ですが、以上で3つめの理由、加工工場での石材の使用停止について考る回を終えます。
という事で、石材商社の立場から見た石材流通の川上部分(丁場や加工工場)に関して、出荷の不調に関する要素を羅列してざっくりと考えてみました。このシリーズ開始当初の記憶がおぼろげですが、今回で広げた風呂敷を一通り畳んだことといたします。
次は最終回、まとめの回です!